ランド研究所とプリンストン大学の調査によると米国の2005年から2015年の間、フルタイム労働者の数は増えていない。一方で所謂ギグ・ワーカーの就業者は67%増加したとある。これが意味するのは、この間の雇用増加分は全てギグ・ワーカーということになる。
更に面白いデータがある。独立して仕事をするようになって1年以上経過している人の80%が、元の働き方に戻ることは考えられないと言っていることだ。
ギグ・ワーカーというのは、ギグ・エコノミーで働くインデペンデント・ワーカーということになる。
不安定な就労形態でありながら元の働き方には戻れないというのは、レギュラー・ギグという状態(市場)が形成されていると思われる。同時に、ギグ・ワーカーはある意味で起業家マインドを持っていないと相応の収入を安定的に得ることはできないのではないか。
その理由はシンプルで約束通りの時間でサービスを完結する自律性を持っていないといけないからだ。そうした人たちだけがレギュラー・ギグを獲得することができる。特にハイエンドな領域であれば法人を含め固定客が付くだろう。
昔、冗談話であるがアメリカ人の殆どはコンサルタントだといったが、現実になっているように思える。日本の場合は、ギグのマーケット・プレイスが未熟であるので暫く先の話になるのだろう。いや、その前に大きな社会問題になるのではないか。
参考)Thriving in the Gig Economy by Marion McGovern