ナッジシール

ナッジとは

ナッジ(nudge)とは人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けすることを指します。
アメリカのシカゴ大学リチャードセイラー教授が提唱した行動理論です。
当法人ではWebサイトにおいて、ユーザーの行動を強制せずきっかけを与え、
ユーザーが無意識によい選択をできるように誘導することをナッジとして考えます。

ナッジシールとは

ナッジシールとはウェブサイトにダークパターンが無いことを証明する第三者認証サービスです。
ダークパターンとは、デフォルトバイアス(初期設定)やヒューリスティック(経験則などに基づいて簡潔に答えを導く出すこと)或いはフレーミング効果(表現の仕方で意思決定に影響を与える心理的現象)などを利用して私たち消費者に悪影響を与える類型(パターン)をいいます。
OECD(経済協力開発機構)は2022年10月にOECD DIGITAL ECONOMY PAPERS を発表しています。OECDでは7つのカテゴリーに分類しています。例えば、緊急性(urgency)です。ネットで予約や購入をする際に、後何部屋、残り幾つ、制限時間など経験したことがあると思います。これは消費者や閲覧者にストレスを与えます。或いは、解約しにくいといった経験をした人も多いでしょう。これは障害物(obstruction)というカテゴリーです。

当団体では7つのダークパターンに独自のパターンも加え、このサイトに問題はないかがひと目でわかるようにシールを貼るサービスを行っています。

認証までのステップ

  1. 評価項目の準備
    • ダークパターン、各種法令、業界ルール、被害事例、最新のネット犯罪に関する情報を収集します。これらの情報を基に、評価項目を設定します。
    • 専門家や関係者が集まり、収集した情報をもとに評価項目を検討し、会議を行います。
    • 必要に応じて、独自の評価項目を作成し、定期的に見直しを行います。
  2. 審査の実施
    • 評価項目が決定したら、審査チームAとBに審査依頼を行います。
    • 審査チームは、依頼を受けた全てのウェブサイト上のページを詳細にチェックします。
    • チェックの結果、改善が必要な箇所が見つかった場合は、具体的な改善アドバイスを提供します。
    • 原則として、ダークパターンが一箇所でも見つかった場合、そのウェブサイトは認証されません。
    • 全てのチェック項目をクリアした場合、仮のナッジシールを発行します。審査チームAとBは同じ工程を繰り返し行います。
    • サプライチェーンを鑑みた調査を行います。生産者、流通、店舗など現地調査やヒアリングを行う場合があります。
    • 信頼性評価はネット環境の変化などで更新していく必要があります。ダークパターンがない、法人として正しく存在するなどをクリアーした場合は、★一つに該当するなど、信頼性評価のレベルに応じて段階を設ける可能性があります。
  3. 登録と発行
    • 審査が完了した後、理事会または評議会にて結果の了解を得て登録します。
    • 理事会の了解を得た後、ご依頼された組織などに対し、デジタルの認証シール(ナッジシール)の登録と発行を行います。
    • 認証を得た組織は、自社サイト上に貼られたナッジシールをクリックすることで、登録日や有効期限、登録リスト、審査内容などを確認することができます。利用者も同様に確認できます。
    • この一連のステップにより、ウェブサイトの安全性と信頼性を確保し、ユーザーに安心して利用していただける環境を提供します。
    • ナッジシールを必要とせず、信頼性マーケティングとしてのコンサルティング・アドバイスを受けることもできます。
  4. ナッジシール認証審査のレベル
    ナッジシールは、Webサイトにダークパターンが含まれていないだけでなく、当該組織の信頼性と持続性を示すことを目的とします。

    認証審査のレベル

    【第1レベル】 自己申告と専門家によるウェブページチェック
    (1)チェックリストによる自己申告
    ・例)OECDが定める7つのダークパターンに該当していない。ウェブページの信頼性を管理する責任者が定められている。納税義務を果たしているなど。
    ・社会情勢などを受け、チェックリストの内容が更新されることがあります。
    (2)第3者によるウェブページチェック
    ・当社団の専門チームよるウェブページのチェック。
    (3)改善レポート
    ・一か所でも不適合があると認証はパスしません。修正要望箇所をレポーティングさせていただきます。
    (4)ウェブページの管理単位
    ナッジシールはウェブページの管理単位(ドメイン)ごとに審査認証をするものです。例えば、複数事業を持ち、それぞれにドメインを有しウェブページを持っている場合、そのドメインごとに審査認証をいたします。

    【第2レベル】 現地調査
    (1)訪問による実態調査
    ・実際に訪問し、事業の実態を拝見いたします。
    ・遠隔での確認もできます。
    (2)主要製品やサービスの管理体制へのヒアリング
    ・品質保証やプロセス管理など。
    ・性能などを保証または証明するデータや資格或いは認証など。
    ・信頼性や品質をマネジメントする部門責任者へのヒアリング。例えば、飲食に関するものであれば、衛生管理の仕組みや教育などを行っている。
    (3)マーケティング・ポイントの確認
    ・特徴や強みなどをヒアリングいたします。

    【第3レベル】 実績
    (1)第2レベルを3年経過
    ・第2レベルの認証を3年経過した組織を対象とします。
    (2)ナッジシール内容の更新
    ・必要に応じ、信頼性を高めていく活動や内容を更新していきます。

    その他
    (1)ナッジシールは1年単位で更新します。
    (2)財務状況に関し言及するものではありません。ナッジシールは財務上の与信管理としての機能は有しません。
    (3)審査対象会社または団体の信頼性を示す上で重要と思えるものは、審査項目として追加することがあります。加えた場合は、その理由とチェック内容を審査会社に対し明示いたします。
    (4)ステークホルダー(消費者や取引先など)からみて重要と思えるものがあれば、対象企業以外に対してもヒアリングなどの検証を行う場合があります。
    (5)各審査レベルの内容は、社会環境などを鑑み、見直しをすることがあります。

    参考)OECD7つのダークパターン
    (1)強制的な行動(forced action):例: 希望以上の個人データの開示を強制する。
    (2)インターフェース干渉(interface interference):例: ビジネスに有利なオプションを視覚的に目立つようにします。
    (3)しつこい(nagging):つまりビジネスに利益をもたらすために設定を変更するよう繰り返し要求すること。
    (4)障害物(obstruction):例: サービスをキャンセルすることが難しくなります。
    (5)こっそり(sneaking):例えば トランザクションの最終段階でオプション以外の料金を追加すること。
    (6)社会的証明(social proof):例: 他の消費者の購入活動の通知。
    (7)緊急性(urgency):例: 取引の期限切れを示すカウントダウンタイマー

この一連のステップにより、ウェブサイトの安全性と信頼性を確保し、ユーザーに安心して利用していただける環境を提供します。

ナッジシール

ナッジシールをクリックする。
どのようなチェック内容かが表示されます。
必要に応じ、流通先なども表示されます。
また、信頼性に関わるマーケティング情報なども紹介します。