SNS依存が脳に充てる影響

2026年7月2日、スペインのサンチェス首相は、SNSの運営企業が違法なコンテンツを削除しない場合、経営陣の刑事責任を問う方針を表明した。
2026年5月29日、パリで開催されたG7デジタル・技術相会合で「SNSから青少年を守る7つの共通原則」が採択された。2026年6月1日、ユニセフが「画期的な合意」として歓迎声明を発表している。
こうした規制の動きが続く中、運営者の刑事責任を問うのは異例といってよいだろう。一方で、それだけ社会的問題だということだ。
以前にも一部ご紹介したが、SNS依存による影響の科学的分析、特に脳科学分野において研究が進んでいる。例えば、SNSを頻繁に使う子供は脳の報酬系という部分の反応が年を追うごとに敏感になっているという報告がある。
特に、感情的な反応を担う「扁桃体」は10代前半から中ごろに発達するとされ、承認欲求などを担う「側坐(そくざ)核」も活発に働くとされる。この時期の子供が感情的になりやすく、リスクを伴う行動を取る傾向があるのは、脳の発達が影響するためであるとされる。こうした医学的観点からの分析、指摘が重要である。

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は、思春期の女子において、SNSで孤独感と痩せたい願望が増強され、メンタルの悪化につながったと指摘する。
東京大学の奥山輝大教授は「顔も知らない相手から何度も攻撃されると、重度のうつ状態になりやすい」。感情を担う扁桃体などの活動が高まり「あらゆる相手との関わりを避ける状態になりやすい」と指摘する(2026年7月5日 SNS 思春期の脳に影響 過敏に反応、孤独感など招く 日本経済新聞)。
スペインでの違法なコンテンツを削除しない場合、経営陣の刑事責任を問うという動きは今後各国へ展開される可能性がある。
企業は社会の公器であり、情報発信の責任を負う。先の7つの共通原則の中の6番目として、透明性と説明責任(Transparency & Accountability)が明記され、アルゴリズムが未成年にどんな情報を届けているかを開示する。有害コンテンツの削除基準・対応時間の公開、といった内容が盛り込まれている。
透明性と説明責任はコーポレートガバナンスの基本原則でもある。現在、この7原則に法的拘束力はないが、今後各国で国内法整備化が進むと思われる。

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